こんにちは、絶景タダタカです。
タダタカの好きな言葉のひとつに”Ede, bibe, lūde, post mortem nūlla voluptās. “というのがあります。
和訳すると「食べろ、飲め、遊べ、死後に快楽はないぞ」
素敵な言葉じゃないですか。
どうせ死んだら何も無くなるんですから、今を精一杯楽しみたいものです。
さて本日も自然を楽しみましょう!
「須佐ホルンフェルス」です。
場所は限りなく島根県に近い山口県の日本海側
ほるんふぇるすぅ?笑
気になる名前ですね。
早速出発。
※お急ぎの方は、「3.須佐ホルンフェルスの楽しみ方」から!
須佐ホルンフェルスとは
それでは旅の前に須佐ホルンフェルスについて予習しましょう。
須佐とは
「すさ」と読み、この地域一帯の名称です。
その名は『古事記』『日本書紀』に登場する有名な日本の神、スサノオノミコトに由来するそうな。由緒ある名前なんですね。
しかし、2005年の平成の大合併によって廃止・統合され、萩市の一部になってしまっています。
ホルンフェルスとは
ホルンフェルスとは、ドイツ語のHorn(角)とFelsen(崖、岩石)が組み合わさってできた語で、直訳すると「硬い岩石」となります。
センター試験地学基礎50点満点でおなじみの絶景タダタカですが、タダタカが個人的に所有している地学の本を引用すると、
貫入した花こう岩体に接した砂岩や泥岩などは、その接触部から幅数十〜数百mにわたってホルンフェルスとよばれる, かたくて緻密な変成岩になっていることが多い。
磯崎行雄・江里口良治『地学』啓林館、2013年、135頁
ちょっと何言ってるかよく分かんない
もう少し分かりやすく説明するか
地学のお勉強タイム
まず、強〜い圧力や高〜い熱に晒された岩石はそのストレスのせいで、岩石内部の組織が変化しちゃいます。
そういえばタダタカも学生時代、失恋のストレスで発狂してたな
つまり俺はホルンフェルスってことか(錯乱)
これすなわち変成作用。
ふむふむ
そして、変成作用には2種類あります。
=プレートの動きなどで強い圧力がのしかかって組織が変化しちゃう
=マグマに触れ高温になることによって組織が変化しちゃう
そしてその変成作用を受けた岩石のことをそれぞれ①広域変成岩、②接触変成岩と言います。
ホルンフェルスはどっちなの?
マグマの熱に接触して変化した岩石なので、、、
接触変成岩か!
ご名答!
接触変成岩の中でも、ホルンフェルスは砂や泥が固まってできた岩石(砂岩・泥岩)などがマグマで熱せられると出来上がるんだ。
つまり、、、、ホルンフェルスってのは、
泥の塊とマグマが融合した岩石!
厳密には違うけど、そんな感じの認識で大丈夫です笑
組織がギュウギュウに詰まってるから、めっっっちゃくちゃ硬いんですよ。
ちなみに大理石も接触変成岩なんやで
これは余談ですが、石灰岩という岩石にマグマの接触変成作用が加わると、大理石に変化します。ホルンフェルスと大理石。接触変成岩は名前が無駄にかっこいいですね笑
須佐ホルンフェルスとは
須佐町にあるホルンフェルスってことです(そのまま)。
「わざわざ山口県まで行って岩見るの?笑」と思ったそこのあなた。
正解です。
絶景屯田兵は岩を見るために山口県に行くんです!
ウホホイ
須佐ホルンフェルスは「日本の地質百選」「21世紀に残す日本の風景遺産100選」に指定され、さらに須佐ホルンフェルスのある須佐湾は「国指定名勝」「天然記念物」に指定されているんです。
さらにさらにこの一帯は、なんと北長門海岸国定公園に指定されているんです!前の記事でも少し触れましたが、われわれ絶景屯田兵は国立公園・国定公園が大好物!これは訪れないわけにはいきません。
どうやらわれわれを満足させるような自然が見つかりそうですね。
Let’s ホルンフェルス!
須佐ホルンフェルスへの行程
14:55 須佐ホルンフェルス到着
秋芳洞、秋吉台を探索し終わったのが13時(秋吉台国定公園の記事はまた後日)。この日は前日の夜からずーーーーーっとドライブしっぱなし。
さすがにお腹も空いてきたけど、近くに牛丼屋さんがないのでもう少し旅を続けましょう。(「なぜ牛丼?」って思った方はプロフィールをチェック!)
秋吉台の身体障害者用トイレでおしっこ休憩を済ませた屯田兵。目指すは須佐ホルンフェルス。
途中、秋吉台ジオパークセンターKarstarでは美味しそうなソフトクリームが売っていましたが、全力でスルー
絶景屯田兵旅の三箇条は絶対(できるだけ)!
カルストロード
まず国道242号線、いわゆるカルストロードを突っ走る。
また別の記事で詳述しますが、秋吉台カルストロードのドライブは最高でした。
ンギモチイィッ!
残念ながら我々が訪れたのは3月中旬。
カルストの大地を一斉に焼き払う「山焼き」が終わってすぐだったようで、地面はまだ茶色茶色。
夏頃に行けば、おそらく草原・空・カルストによる緑・青・白のコントラストでさらに最高なんでしょうね。
秋吉台の山焼きは毎年2月の第3日曜日だからタイミング惜しかったね〜
次は夏に行こう
山口県道32号線で萩市へ
秋吉台の標高は大体200〜400m。
カルストロードをドライブして台地を下っていくと、山口県道32号線にでます。
32号線は秋吉台と萩市を結ぶため萩秋芳線とも呼ばれる、山口県でも一、二を争う主要道です。
ここから萩市までは山々に囲まれた、のどかな道を走ることになります。以下はGoogle先生の写真↓
俺らが求めてるのはこういう道なんだよな!
国道191号線で日本海沿いを走る!
萩市内に入ると、県道32号線はそのまま国道191号線につながります。
国道191号線は山口県の西端である下関市から、日本海沿いを走り島根県の益田市を経由して広島県に到るルートです。
海沿いを走るってことはそろそろあの雄叫びが聴けそうですね
ウホホイウホホイ!
あ、やっぱり聴けましたね笑
そのまま日本海岸線を突っ走ります。
海沿いドライブは死ぬまでウホホイし続けたいものです。
道のりの途中では、肥島、大島、野島、宇田島などの個性的な島々が我々の目を楽しませてくれます。
多島海景観とまではいかないものの、さすがは北長門海岸国定公園。
環境省の審美眼はさすがですね。
須佐町へ
宇田島に別れを告げると、国道191号線はいったん内陸に入ります。
個人的にはより海沿いの山口県道343号線を通ってみたい気持ちもありましたが、我々が乗っていたミニバンではもはや通行不可能な険しい道もあるので泣く泣く断念。
大刈トンネルや須佐トンネルなどを長〜いトンネルを抜けると、須佐の町に出ます。
山と山の間にこじんまりと作られた漁村って感じでしたね。
ラストスパート
須佐町を出るといよいよ須佐ホルンフェルスです。
国道315号線と我々が走ってきた国道191号線との丁字路に「須佐ホルンフェルス」の標識が見えてきました!
国道315号線へ左折し、100メートルほど走ってまた左折。
1車線の道幅の狭い道路が続きます。
こんにちはそしてさようなら国道315号線
そのまま再度、海へでます。
ウホホイウホホイ!
海が見えたら毎回叫ぶんですね笑
海に突き当たると、須佐湾沿いを縫うようにして繋がれた山口県道305号線、通称須佐湾高山尾浦線とぶつかりますので、右折して合流します。
ここからは2車線になるので比較的走りやすいと思います。
須佐湾沿いに走りますが、海から離れると急に標高が高くなり始めます。
最高到達点過ぎたあたりで県道305号線とはお別れ。
1車線で少しだけ走ります。
左手に須佐海苔石休憩所つわぶきの館が見えてきたらゴールです!
駐車場に車を止めましょう!
須佐ホルンフェルスの楽しみ方
つわぶきの館に車を止めた屯田兵一行。
トイレもあるのでおしっこ休憩はこちらで済ませておきましょう。
駐車場代は無料なのでご心配には及びません。
無料駐車場は神
つわぶきの館は標高が高い位置にあり、そこから海を眺めると、、、
うおおおぉぉお!
ありました!ホルンフェルスと日本海。
黒と白と青の素敵なコントラスト!
撮影者の絶景ヒラリ〜君は恥ずかしがり屋さんなので名前だけの登場です。
もっと近くに
もっと近くで見てみましょう。
駐車場から須佐ホルンフェルスまでは、簡素な造りの遊歩道で繋がれていて、すぐそばまで降りて近づくことができます。
500メートル弱はありました。
10 分もあれば触れる距離まで近づけます。
真下まで来てみると、オーバーハングしててかなりの迫力!
注意が必要
遊歩道が終わると、ホルンフェルスの断崖のちょうど上に出ます。
安全のための柵や手すりなどの設備は一切ありません。
雨の日は滑るので特に注意が必要です。
断崖は高さ15メートルほどあるので落ちたら普通に死にます。
さっきも言ったけどホルンフェルスはめっちゃくちゃ硬いからね
脅すつもりはありません。
むしろ自然をそのままに残してくれている環境省と山口県に感謝ですね。
自然は本来危険なもの!
節度を持って楽しもう!
黒と白
ところで何で黒と白に分かれてるの?
見ての通り、須佐ホルンフェルスは黒色の岩石と白色の岩石でできたモノクロの断層。一体どんな要因でこの差は生まれたんでしょうか?
砂か泥かで変わるらしいよ
そうです。
須佐ホルンフェルスの白色の部分は砂でできた砂岩。
一方で黒色の部分は泥でできた泥岩(頁岩)なんです。
一般に、直径2mm以上の砕屑物でできた岩石を礫岩、2mm〜0.06mmのを砂岩、0.06mm未満のを泥岩と言います。泥岩には有機物が含まれていることが多いため、黒っぽくなるのだそう。
日本海を見てみる
須佐ホルンフェルスを背にして、日本海を一望した写真がこちら。
ンギモチイィッ!
山口県の角島大橋、元乃隅稲荷神社、青海島を訪れたとき(後日記事にします)から薄々感じてましたが、日本海側の海岸線ってめちゃくちゃ綺麗じゃないですか?
もちろん太平洋側の海も充分綺麗なんですけど、日本海側の方が異常に透明度が高いというか、青々としているというか、何とも言えない魅力があります。
何故なんでしょうかね。
人がいないからじゃね
日本では、春から夏にかけて南向きの風、つまり南から強い風が吹いてきます。したがって、太平洋上の汚れや濁りが日本列島に戻ってきてしまうんです。
他方、日本海側は逆に汚れや濁りが日本列島から遠ざかっていくので、前述のような異常なほど綺麗な海に見えるのでしょう。
夏の海はぜひ日本海側へ!
逆に考えると、冬は北風が吹くので日本海側の海の方が汚くなるってことですかね。まあ、冬に海水浴するような人はいないと思うので問題なしです。
周辺の自然スポット
海苔石園地
須佐ホルンフェルスの駐車場、つわぶきの館を横目に見ながら海に向かってさらに1kmほど進むと、海苔石園地に着きます。
須佐湾の先端部に位置し、荒ぶる波と岩礁が一体となった広場になっています。
ここからでも須佐ホルンフェルスを拝むことは可能です。
真下から見上げるのもいいですが、遠くから眺めるとまた新たな発見があるかもしれませんね。
小さい広場ながら、駐車スペースは十分にあり、水洗トイレも完備なので安心して訪れることができます。
須佐高山
須佐ホルンフェルスに向けて山口県道305号線を走っていると、途中で分岐して須佐高山への登山道が現れます。
デカデカと「高山山頂入口」と書かれているので、すぐに分かります。
山自体は標高532.8mで、1300万年前にマグマが冷えて固まった班れい岩によってできています。実は須佐ホルンフェルスの接触変成作用を起こしたのもこの山のマグマ。
山頂部にある班れい岩は非常に強い磁気を帯びており、昔から「磁石石」と呼ばれ広く知られています。冒頭に紹介したスサノオノミコトの伝説もこの「磁石石」が関わっているとかいないとか。。。
ほぼ山頂まで車で行くことができるので、時間があれば磁石を携えて訪れてみましょう!
絶景屯田兵指数
★★★★☆
星4つです!
山口県ではまだまだマイナーな部類に入るこの景勝地。
全然人がいないので、タイミングが合えば絶景の日本海と1500万年前の班れい岩質マグマによる接触変成作用のロマンを独り占めできてしまうかも。
安全にはくれぐれも注意してくださいね。
おわりに
いかがでしたか?須佐ホルンフェルス
自然にできたストライプ柄。インスタ映えすると思いますよ。
白と黒と青のコントラストに心躍ること間違いなしです!
自然は裏切らない。それでは次の自然で。